『日本の歴史13巻 一揆と戦国大名月報*13』(講談社,2001年)で,井上章一さんの「京都と大阪の歴史観」の指摘が面白い。
現行の歴史教科書は,「関東史観で編纂されている」というのである。
例えば,古代から中世の区切りは平安時代と鎌倉時代,中世と近世の区切りは安土桃山時代と江戸時代に設定されている。どちらも,近畿の旧勢力を関東の新勢力がうちやぶることで,時代が変化したということになる。この様な見方が,「東京の進歩性を,国民へ洗脳しつづけてきた」としている。
今日の朝,「めざましテレビ」で,うどん(関東は濃い口,関西は薄口)やすき焼き(関東は肉と野菜を煮る,関西は肉を焼きその後割り下を入れる)の味や食べ方の嗜好が変化してきているという記事があった。地域によって多様な味や調理法が,関東メーカーの販売拡大によって変わってきているということだった。
極端な言い方をすれば,東京が日本の文化的多様性を破壊しているということだろうか。
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