いわゆる鎖国政策をとっていた江戸時代には,海外からの情報などが入らず,閉鎖的な状態だったと考えるのは,今では少数派ではないかと思う。だから,今さら,鎖国の閉鎖性を覆すようなことを書く必要も無いのだが,ふと考えたことがあったのでメモしておく。
1800年に奥州から蝦夷地へ測量の旅へ出た伊能忠敬が完成させた,大日本沿海輿地全図が江戸時代にあったことが,この時代の閉鎖性を覆す事実になる。
近代的な手法を使って完成した,ひじょうに正確な日本地図が海外との交流の断絶した時代に生まれるはずがない。
もしも,伊能忠敬を閉鎖的な時代にこんなすばらしい事業をやり遂げた人物として評価してしまうと,それは日本は閉鎖的な状態であってもすごいものを生み出せる力があるという見方になってしまう。
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